毎月、Kindle Unlimitedや新刊を中心にさまざまな小説を読んでいますが、なかには読む手が止まらなくなる一冊があります。
そこで今月から、その月に読んだ作品の中で「これは間違いなく今月のベスト」と胸を張って紹介できる一冊を、“今月のNo.1”として取り上げていくことにしました。
記念すべき第1回、今月のNo.1に選んだのは…… 五十嵐貴久さんの『炎の塔』です。
正直、読み始めてすぐに後悔しました。「もっと時間がある時に読み始めればよかった」と。 それくらい、ページをめくる手が止まらず、寝不足必至。 紙面から熱気が伝わってくるような、圧倒的なパニック・エンターテインメントの傑作です。
なぜこの作品が今月No.1なのか。その凄まじい魅力をご紹介します。
あらすじ
銀座の新たなランドマークとして完成した、高さ450メートルを誇る日本一の超高層ビル「ファルコンタワー」。
華々しいオープンの初日、タワーには数万人の客が訪れていました。 震災を生き抜いた親子、重病を克服した夫婦、禁断の恋に落ちた教師と女子高生、離婚問題に直面する夫婦…。 それぞれが様々な事情や想いを抱え、展望台からの景色を楽しんでいます。
しかし、そんな彼らに襲いかかる未曾有の大火災。 「最新鋭の防火設備があるから大丈夫」 そんな過信が招いた綻びから、炎は瞬く間にタワーを飲み込んでいく…。
通称“ギンイチ”こと銀座第一消防署の若き女性消防士・神谷夏美は、猛威をふるう炎の中、取り残された人々を救うため、死を賭した任務に出動する――。
完璧だったはずの防火設備はなぜ破綻したのか? 地上400メートルに取り残された人々の運命は?
魅力と読みどころ
1. 圧倒的な「リアリティ」と「恐怖」
著者の徹底的な取材に裏打ちされた、火災現場の描写が圧巻です。 煙の動き、熱気、パニックに陥る群衆心理、そして「高層ビル火災」という逃げ場のない状況の絶望感。 読んでいるだけで喉が乾き、熱さを感じるほどの臨場感があります。まさに「読むパニック映画」です。
2. 極限状態での「人間ドラマ」
あらすじにもある通り、タワーには様々な背景を持つ人々が居合わせます。 極限状態の中で、人は誰を想い、どう行動するのか。 自分だけ助かろうとする者、他人を助けようとする者、愛する人を守ろうとする者。炎によって炙り出される人間の本性が、ドラマチックに描かれます。
3. 女性消防士・神谷夏美の奮闘
主人公である神谷夏美は、決してスーパーヒーローではありません。 恐怖に震え、迷いながらも、消防士としての使命感で炎の中に飛び込んでいく。その等身大の姿と、圧倒的な炎に立ち向かう勇気に、胸が熱くなります。
こんな人におすすめ
- 映画『タワーリング・インフェルノ』や『バックドラフト』のようなパニック作品が好きな人
- 手に汗握る展開で、一気読みできるエンタメ小説を探している人
- 極限状態での人間ドラマや、プロフェッショナル(消防士)の活躍に感動したい人
感想
まるで映画を見ているような臨場感。
次々と襲いかかる絶望的な展開に胸が締めつけられ、涙が溢れてくるのを堪えながら必死に登場人物を応援しました。
「なんとか生き延びてほしい」「どうか無事でいて」と祈りながら読み進める時間は、本当にきつい。でも、目を離すという選択肢はありませんでした。
終盤は息をするのも忘れるほどのめりこみ、最後のページを閉じた瞬間はぐったり。それでも読んでよかったと心から思える一冊でした。体力も感情もごっそり持っていかれるのに、読み終わった今は「めちゃくちゃ面白かった!」のひと言に尽きます。
次作は『超豪華客船』が舞台。またまた楽しそうで読むのが楽しみです。
シリーズ一覧
まとめ
『炎の塔』は、想像を絶する炎の描写と、それに立ち向かう人間の姿を描いた、エンターテインメントの傑作です。
一度読み始めたら、読み終わるまで止まれません。 休日や、夜更かしできる日に読むことを強くおすすめします。








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