今日は、11月前半にじっくり読みたい「Kindle Unlimited」の注目作を10冊まとめます。
心の距離が近い物語から、ひりつく社会派、静かな推理、生活に潜む人間像まで。
季節が深まりつつあるこの時期に、読み味の濃さを求める人へ。
読み放題の対象は入れ替わるため、ご利用前に各商品のページで「Kindle Unlimited」の表示があるかを確認してください。
※月中に見直して追加があれば更新します。
1. 『恋とか愛とかやさしさなら』/一穂ミチ
- あらすじ: カメラマンの新夏は、交際5年になる啓久からプロポーズを受ける。幸せの絶頂だったはずの翌日、啓久は通勤電車での盗撮容疑で逮捕されてしまう。「二度としない」と誓う彼を、新夏は信じることができるのか。事件をきっかけに、二人の関係、そして周囲の人々にも予想外の波紋が広がっていく。
- こんな人におすすめ:
- ままならない大人の恋愛模様を描いた作品が好きな人
- 人間の欲望や関係性の脆さを描く、ビターな物語を読みたい人
- 一穂ミチ氏の描く、ヒリヒリするような心理描写が好きな人
- 一行レビュー: 幸せの絶頂から突き落とされる、愛と欲望のままならなさを描く衝撃作。
2. 『入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください』/寝舟はやせ
- あらすじ: 毒親の借金から逃れ、住む場所も金も失ったタカヒロ。彼が見つけたのは「月給15万・住み込み」の好条件なマンション管理人の仕事だった。ただし、その条件は『隣人と必ず仲良くすること』。しかし、その隣人は明らかに人間ではない”ナニカ”で、毎夜ベランダ越しに怪談を語りかけてきて……。
- こんな人におすすめ:
- じっとりとした和製ホラーや怪談話が好きな人
- 「訳アリ物件」モノのサスペンスが読みたい人
- 日常がじわじわと侵食されていく恐怖を味わいたい人
- 一行レビュー; 「訳アリ物件」のレベルが違う。隣人は、怪談好きな”ナニカ”だった。
3. 『遺産相続を放棄します』/木元哉多
- あらすじ:
室町時代から続く名家・榊原家。当主が亡くなり、多額の遺産が孫の俊彦に相続されるはずだった。しかし、俊彦は突如「遺産相続を放棄する」と宣言。妻の景子は夫を翻意させようと奔走するが、その行動が引き金となり、一族の謀略の中で義姉を死なせてしまう。 - こんな人におすすめ:
- 巨額の遺産を巡る「相続ミステリー」が好きな人
- 名家のドロドロとした人間関係や愛憎劇が読みたい人
- 「このミステリーがすごい!」大賞・関連作品のファン
- 一行レビュー: 巨額の遺産を「放棄」した夫。その決断の裏に隠された、名家の闇。
4. 『神様の裏の顔』/藤崎翔
- あらすじ: 清廉潔白で「神様」のように慕われていた教師が亡くなった。その通夜に集まった元教え子や同僚たち。故人を偲ぶ涙の裏で、参列者たちの些細な違和感が繋がり始め、聖職者とは程遠い「裏の顔」が浮かび上がる。彼は本当に”神様”だったのか?
- こんな人におすすめ:
- ブラックユーモアや皮肉の効いたミステリーが好きな人
- 登場人物たちの会話劇で進む物語が読みたい人
- 笑えるミステリー(コメディミステリ)を探している人
- 一行レビュー: 聖職者の通夜で暴かれる「裏の顔」。笑いと皮肉が効いた傑作ミステリー。
5. 『悪い夏』/染井為人
- あらすじ: ケースワーカーとして働く守は、同僚が生活保護の打ち切りを盾に担当の女性に肉体関係を迫っていることを知る。正義感から真相を確かめようと女性の家を訪ねた守だったが、その出会いをきっかけに、貧困ビジネスや地方ヤクザが絡む「普通」の世界から転落していく。
- こんな人におすすめ:
- 社会の暗部を描くノワール小説や、社会派ミステリーが好きな人
- 息もつけないような緊迫感と、加速する負の連鎖を楽しみたい人
- 一行レビュー: 正義感が、地獄への引き金だった。止まらない転落を描くノワール・サスペンス。
6. 『あの日、君は何をした』/まさきとしか
- あらすじ: 15年前、ある少年が殺人犯を追う警察官から逃げ、事故死した。現在、新宿で女性の他殺体が発見され、不倫相手の男が行方不明に。一見、無関係に見える二つの事件。刑事・三ツ矢が捜査を進めるうち、過去と現在が繋がり、衝撃の真相と家族の秘密が明らかになる。
- こんな人におすすめ:
- 過去の事件と現在の事件が交錯するミステリーが好きな人
- 「タイトルの意味」が最後にわかる系の物語が読みたい人
- 人間の心の奥底にある闇や、家族の複雑な関係性を描いた作品が好きな人
- 一行レビュー: 無関係なはずの二つの事件が繋がる時、タイトルの意味に戦慄する。
7. 『消失グラデーション』/長沢樹
- あらすじ: 高校のバスケ部員・椎名は、ある日、女子バスケ部のエース・網川緑が屋上から転落するのを目撃する。何者かに襲われ気を失った椎名が意識を取り戻すと、血だまりだけを残して少女の姿は忽然と消えていた。彼は放送部の樋口と共に、この「少女消失事件」の謎を追うが……。
- こんな人におすすめ:
- 学園モノや「青春ミステリー」が好きな人
- 「叙述トリック」に鮮やかに騙されたい人
- ミステリーと青春小説のほろ苦さを同時に味わいたい人
- 一行レビュー: 目の前で消えた少女。甘酸っぱい青春ミステリーと見せかけた、鮮やかな罠。
8. 『なぜヒトを殺してはいけないのですか。』/青木杏樹
- あらすじ:「罪を犯したコドモ」に教育を受けさせるため、孤島に設立された全寮制の学校。そこに集められたのは、全員が前科持ちの生徒8名と教師3名。開校直後、電波も届かない監獄のような校舎で、女性教師の死体が発見される。これは事故か、殺人か。
- こんな人におすすめ:
- 孤島や閉鎖空間で事件が起こる「クローズド・サークル」ミステリーが好きな人
- 「全員容疑者」というシチュエーションにワクワクする人
- 人間の倫理観や罪と罰というテーマに興味がある人
- 一行レビュー: 全員前科持ちの孤島学園で、新たな「罪」が生まれる。王道クローズド・サークル。
9. 『そのひと皿にめぐりあうとき』/福澤徹三
- あらすじ:・ 1946年、戦後の焦土と化した東京。戦争で全てを失った里見滋は、飢えと貧困に苦しんでいた。2020年、コロナ禍の東京。高校生の洲崎駿は、父の会社の倒産で幸せな日常を失う。絶望の淵に立つ二つの時代の二人が、時を超え、驚くべき運命で巡りあう。
- こんな人におすすめ
- 時代を超えて繋がるヒューマンドラマが読みたい人
- 逆境の中で「生きる」ことの力強さを描いた物語が好きな人
- 読後に温かい気持ちや勇気がもらえる小説を探している人
- 一行レビュー 絶望の時代を生きる二人が「食」を通して繋がる、心にしみる感動の物語。
10. 『生殖記』/朝井リョウ
- あらすじ とある家電メーカーに勤務する尚成。彼は同性愛者であり、社会が暗黙のうちに求める「種の保存」「拡大・発展」のレールから外れて生きている。そんな彼の日常を、彼の意識とは別に存在する「生殖本能」の視点から描く。なぜヒトは生殖するのか? 「普通」とは何か? 『正欲』の著者が放つ、新たな問題作。
- こんな人におすすめ
- 朝井リョウ作品のファン(特に『正欲』が刺さった人)
- 社会の「当たり前」や「普通」に息苦しさを感じる人
- 斬新な語り口の小説が読みたい人
- 一行レビュー 「生殖」という本能の視点から「普通」を鋭く問う、朝井リョウの真骨頂。
注意
※本記事で紹介した作品は、執筆時点(2025年11月)でKindle Unlimited対象です。
読み放題の対象は入れ替わるため、ご利用前に各商品のページで「Kindle Unlimited」の表示があるかを確認してください。
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