はじめに
同じ“病院”を舞台にしながら、描かれる恐怖の種類がまったく違う2作品。
『仮面病棟』は“人間の思惑”が作り出す緊迫感、『時限病棟』は“時間”そのものが敵になるスリラー。どちらも知念実希人らしい、医学知識を軸にしたロジカルなサスペンスだ。
仮面病棟』 ――仮面の犯人、閉ざされた病院
ピエロの仮面をつけた凶悪犯が、女子大生を人質に郊外の病院へ立てこもる。
当直医の速水は、武器を持たないまま交渉役を担うが、院内では不自然な動きが次々と起こる。
施錠された病室、動かないエレベーター、消えたカルテ。
「逃げ場のない密室」で暴かれていくのは、犯人の正体ではなく、この病院が抱えるもう一つの“秘密”だった。
医療現場のリアルな描写が、緊迫した脱出劇の中で光る。
一行レビュー:人間の恐怖と病院の闇が重なる瞬間、仮面より怖い“素顔”が見える。
『時限病棟』 ――閉ざされた研究施設と“タイムリミット”
研究病院の地下にある“封鎖エリア”で爆発事故が起き、医師たちは隔離される。
救出までの猶予は24時間。
外界との通信は断たれ、酸素濃度は低下。
しかし、状況はただの事故ではなかった。
生存者の一人が極秘の新薬開発に関わっており、研究データを巡って内部対立が始まる。
時間の経過とともに理性がすり減り、誰が味方で誰が嘘をついているのか分からなくなる。
時計の針と精神のバランスが同時に壊れていく“病院×心理スリラー”。
一行レビュー:助かるために犠牲を選ぶ――その判断が、人間の限界を暴く。
比較ポイント
| 観点 | 仮面病棟 | 時限病棟 |
|---|---|---|
| 舞台 | 一般病院(夜間立てこもり) | 研究施設(爆発で閉鎖) |
| 恐怖の軸 | 人間の企み・嘘 | 時間・環境・極限心理 |
| 構成 | 脱出×真相暴きの二重構造 | カウントダウン型スリラー |
| 読後感 | 痛快・映画的 | 緊迫・じわじわ恐怖 |
| おすすめ層 | 密室ミステリが好きな人 | 医療×心理サスペンスが好きな人 |
こんな人におすすめ
- 緊迫したシチュエーションでハラハラしたい
- 医学・科学のリアリティを感じるサスペンスが好き
- 一気読みできる“映像が浮かぶ”タイプの小説を探している
まとめ
『仮面病棟』が“人の心の密室”を暴く物語なら、
『時限病棟』は“時間の牢獄”に閉じ込められた人々を描く。
医療の現場を知る著者だからこそ、閉ざされた空間で生き残る“人間の正気”をリアルに描けるのだ。
どちらも映像的で、読後の余韻が残る知念実希人の代表作。
どちらの病棟にも出口はある。ただし、出られるのは“真実を見た者”だけ。
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