ドラマで知った物語を、原作で“実務の細部”まで追体験する楽しみ。経理・広報・銀行という異なる現場から、働き方のモヤモヤに真正面から触れる3作をまとめました。
1|これは経費で落ちません! ― 経理は“事実を整える”仕事
あらすじ
経理部の森若沙名子が、領収書と伝票の“ズレ”から社内の矛盾を見抜き、波風を最小限に抑えつつ問題を正す連作。数字は冷静だが、人の事情は常に入り込む。毎話の小さな不一致が解かれるたび、組織の健康度が少しずつ上がる設計。
読みどころ
- 領収書・勘定科目・社内規程といった“地味な道具立て”で物語が回る構図
- 「証拠→説明→合意形成」という経理的プロセスの気持ちよさ
- 語り口の軽さと、職場あるあるの距離感
感想
経理の視線に寄り添うと、数字は冷たいどころか親切だと感じた。判断の基準を示し、関係を傷つけない落としどころを探す姿が魅力的。通勤単位で区切っても満足感が残る。
こんな人におすすめ
- 人間関係のもやもやを“手順”でほどきたい
- 連作でテンポよく読み進めたい
- 仕事×ささやかな恋や生活感も欲しい
2|SURVIVAL WEDDING ― 広報は“見せ方と実態”の両輪
あらすじ
婚約破棄の翌日に復職した編集者が、“半年以内に結婚して記事化”という無茶ぶり企画に挑む。ブランド論やマーケ戦略を踏まえた自己ブランディングと、仕事の成果が連動。恋と仕事が同じ設計図の上に描かれる長編。
読みどころ
- ターゲット設計/コピー/メディア露出の手順が具体
- “個人の見せ方”と“商品の見せ方”が鏡写しになる構図
- 仕事小説としての前向きさと、恋愛パートの軽快さ
感想
ノウハウが先行しすぎず、行動の結果として小さな改善が積み上がる。広報の現場を知る人の筆致らしく、手順に嘘がない。元気がほしい日に合う。
こんな人におすすめ
- 実務のヒントを物語として摂取したい
- 自分の“見せ方”を整えたい
- 恋愛と仕事の両輪で走る話が好き
3|花咲舞が黙ってない ― 銀行は“手続きの細部”がドラマを動かす
あらすじ
銀行の不正や隠蔽に、臆せず「間違っている」と言い切る花咲舞。支店や本部のしがらみを越えて、手続きと権限のねじれを正していく。制度の細部が、人の尊厳を守る武器になる物語。
読みどころ
- 事務手続き・稟議・監査など“地味な現場”の臨場感
- 勇気とロジックが両立する解決
- 読後に背筋が伸びる爽快さ
感想
言うべきことを言う姿に励まされる。仕組みの言葉で戦うから説得力がある。シリーズ既読でも単巻でも満足できるつくり。
こんな人におすすめ
- 正義感強めで前を向きたい
- 職場の理不尽に効く“思考の型”がほしい
- 金融現場のディテールが好き
“モヤモヤ別”ガイド
- 経理=数字と人情のズレ → ルールで整える快感(経理・会計寄りに刺さる)
- 広報=見せ方と実態のズレ → 戦略で再設計(発信・企画寄りに刺さる)
- 銀行=権限と現場のズレ → 仕組みで正す爽快(管理・現場双方に刺さる)
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