2025年の「本屋大賞」、皆さんはチェックされましたか?
本屋大賞は、書店員さんが「いま一番読んでほしい本」を選ぶ賞。話題作が多く、読んでおいて損はありません。
とはいえ――全作を追うのはなかなか大変。そこで今日は、2025年本屋大賞ノミネート作品のうち、いまKindle Unlimitedで読める2冊を紹介します。
さらに、Audibleで聴ける今年の本屋大賞『カフネ』もあわせてまとめました。Audibleは受賞作や話題作の配信が早いのが強み。先に耳で出会えるのは、読書の幅が広がります。
冬の夜長に、まとめてチェックしておきましょう。
本屋大賞ノミネート作の中からKU対象の2冊
『恋とか愛とかやさしさなら』/一穂ミチ
「あなたの婚約者が、盗撮で捕まったら?」
物語は、主人公のカメラマン・新夏(にいか)の元に、婚約者である啓久(ひらく)が盗撮の疑いで逮捕されたという連絡が入るところから始まります。「信じたい」気持ちと「疑い」の間で揺れ動く新夏。そして、被害者、加害者、その周囲の人々…様々な視点が交錯していきます。
『恋とか愛とかやさしさなら』の魅力と読みどころ
『スモールワールズ』でも評価された、一穂ミチさんの鋭い人間描写が本作でも光っています。
「信じること」の難しさ、そしてタイトルの「やさしさ」とは一体何なのか。被害者、加害者、その周囲の人々…それぞれの立場から見える「正しさ」が異なり、読んでいる自分自身の価値観も問われるような、重厚な読み応えのある一冊です。
こんな人におすすめ
- 人間の内面を深く掘り下げた、読み応えのある小説が読みたい人
- 一穂ミチさんの『スモールワールズ』や、湊かなえさんのような「人間の多面性」を描く作品が好きな人
- 「愛とは何か」「信じるとは何か」というテーマに真正面から向き合いたい人
『生殖記』/朝井リョウ
「この本を読んで、もし何かを思い出したとしても、それはあなたの勘違いです」――。
発売時、ジャンルやあらすじが一切公表されなかったことでも話題になりました。前代未聞の「語り手」が読者を驚かせた衝撃作であり、ここで内容に触れること自体が野暮になってしまうため、あえてあらすじ紹介は控えます。
『生殖記』の魅力と読みどころ
朝井リョウさんだからこそ書ける、人間の根源的なテーマに挑んだ怪作、あるいは傑作です。
ミステリー小説ではありませんが、その巧妙な「仕掛け」と読後感は、ミステリーファンにこそ刺さるものがあるはず。読者の倫理観や固定観念を、これでもかと揺さぶってきます。
読む人を選ぶかもしれない、しかし間違いなく多くの人に衝撃を与えた傑作です。読み放題でこの衝撃を体験できるのは、非常に貴重な機会だと思います。
こんな人におすすめ
- 「仕掛け」のある小説、叙述トリックものが好きな人
- 『何者』『正欲』など、朝井リョウ作品の「えぐみ」や問題提起が好きな人
- 「今までにない読書体験」をして、頭をガツンと殴られたい人
本屋大賞2025《受賞作》をAudibleで
『カフネ』
主人公の薫子は、突然の事故で弟を亡くします。失意の中、彼女は弟の元恋人だったという女性・せつなと出会います。せつなは「カフネ」という家事代行サービスで働いており、薫子は彼女に「弟が遺した部屋」の片付けを依頼することに。
ぎこちない関係から始まった二人ですが、せつなが作る温かい料理や、彼女との交流を通じて、薫子の心は少しずつ解きほぐされていきます。
『カフネ』の魅力と読みどころ
なんといっても、「食」を通じて描かれる女性同士の連帯の物語が胸を打ちます。
大きな事件が起こるわけではありませんが、悲しみを抱える人々にそっと寄り添う、作品全体の温かな眼差しに救われるような感覚を覚えました。「カフネ」という言葉が持つ「(ギリシャ語で)もてなしの心」という意味が、読了後に深く沁みてきます。
こんな人におすすめ
- 優しい物語、静かな感動で心を癒したい人
- 『食堂かたつむり』や『海街diary』のような、「食」や「女性同士の絆」を描く物語が好きな人
- 日常の忙しさから離れ、温かい気持ちになりたい人
【Audible】で聴く『カフネ』という体験
本作はAudible(オーディブル)の聴き放題対象です。
さすが本屋大賞受賞作、Audibleでは大賞発表直後に配信が開始されていました。Audibleはこうした話題作や文学賞受賞作の配信が本当に早いのが嬉しいポイントですよね。
私もこのAudible版で聴きましたが、「聴く読書」だからこそ、登場人物たちの静かな息遣いや、作中に出てくる美味しい料理の描写がより深く心に沁みました。物語の雰囲気と「聴く」という体験が、これ以上なくマッチした作品です。
(補足)KUやAudibleが初めての方へ
Kindle UnlimitedやAudibleは、Amazonが提供する月額制のサブスクリプションサービスです。
「気になっていた本」や「新しい本との出会い」を、定額で気軽に楽しむことができます。 各サービスの詳細や、今回紹介した作品以外のオススメについては、以前に書いたこちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ
- 『恋とか愛とかやさしさなら』(一穂 ミチ):Kindle Unlimitedで読める問題作
- 『生殖記』(朝井 リョウ):Kindle Unlimitedで読める衝撃作
- 『カフネ』(阿部 暁子):Audibleで聴ける大賞作
どれも「本屋大賞」で多くの支持を集めただけあって、読み応え(聴き応え)は抜群です。 読み/聴きの対象になったこの機会に、気になっていた一冊を手に取ってみてはいかがでしょうか。
きっと、忘れられない読書体験になるはずです。
kindle unlimitedの読み放題対象は定期的に入れ替わるため、必ず商品ページの表示をご確認ください。
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