2026年は、小説原作の映画が豊作です。
でも、映画の情報だけ追うのは正直もったいないです。
原作を先に読んでおけば、登場人物の感情の流れも、物語の仕掛けも、映画では拾いきれない余韻までしっかり味わえます。
とくに今回紹介する5作は、映画化されるから気になるというより、映画化前に読んでおきたい原作そのものが強い作品ばかりです。
この記事では、2026年公開予定の映像化作品の中から、公開前に原作小説を読んでおきたい注目の5冊をまとめました。
次に読む1冊を探している方や、映画を見る前に原作を予習したい方は、ぜひチェックしてみてください。
1. 『君が最後に遺した歌』|2026年3月20日公開 ★KU
一条岬さんの小説を原作とした『君が最後に遺した歌』は、音楽を通して惹かれ合う二人を描いた恋愛小説です。派手な展開で押すのではなく、言葉にしきれない想いや、限られた時間の中で深まっていく関係を丁寧に積み重ねていく物語になっています。
2026年3月時点でKindle Unlimited対象になっているのも魅力です。
原作の魅力
この作品の良さは、音楽という本来なら耳で聴くものを「言葉」だけで表現しきった筆致の美しさです。ページをめくる手が止まるのは、物語の展開ゆえではなく、そこに綴られた一文一文があまりに叙情的な音を奏でているからです。切ない恋愛小説が好きな人や、読後にじんわり余韻が残る物語を読みたい人には特におすすめです。
ここに注目
映画では実際に「音」が流れますが、原作の醍醐味は、文字を追いながら読者一人ひとりの脳内で独自の旋律が立ち上がってくる過程にあります。映像化によって一つの正解が示される前に、文章が呼び起こす静かな情景と、自分だけの「聴こえない音」を丁寧に味わっておきたい一冊です。
映画化情報
2026年3月20日公開予定。映画では道枝駿佑さん、生見愛瑠さんが出演します。
2. 『未来』|2026年5月8日公開
湊かなえさんの『未来』は、2026年5月8日公開予定の注目作です。映画化が発表された時点で話題になりましたが、映像化情報以上に、原作そのものの苦さと切実さが強く残る作品です。
原作の魅力
“未来の自分”から届いた手紙という入口から始まりながら、この作品が容赦なく描くのは、もっと生々しくて逃げ場のない現実です。読んでいてしんどいのに、ページを閉じられない。痛みや歪みをまっすぐ突きつけてくるのに、最後まで読まずにいられない。湊かなえ作品のそういう強さがしっかり詰まった1冊です。
ここに注目
映画では限られた時間の中で強い場面が際立ちそうですが、原作では登場人物たちが抱えてきた痛みの背景までじわじわ伝わってきます。言葉の裏にある苦しさや、簡単には救われない現実を、自分のペースで受け止められるのが小説ならではの強さです。
映画化情報
2026年5月8日公開予定。黒島結菜さん、山﨑七海さん、松坂桃李さん、北川景子さんらが出演します。
3. 『君のクイズ』|2026年5月15日公開
小川哲さんの『君のクイズ』は、2026年5月15日公開予定の話題作です。設定の強さで引き込む作品ですが、本当にすごいのは、その設定だけで終わらないところです。
原作の魅力
クイズ番組の決勝戦で、問題が1文字も読まれないうちに正解が出された――。この異様な謎だけでも十分に引き込まれますが、この作品の面白さはそこからさらに深まっていきます。真相を追う面白さだけでなく、「知ること」や「答えること」の不思議さにまで踏み込んでいくので、読み終えたあとにもじわっと残る一冊です。ひねりのある設定や、知的好奇心を刺激される物語が好きな人にはかなりおすすめです。
ここに注目
映画では“0文字解答”の異様さが強く印象に残りそうですが、原作ではその違和感を自分の頭で追いかける時間そのものが面白さになります。答えを知る前に読むからこそ味わえる、じわじわ引き込まれる1冊です。
映画化情報
2026年5月15日公開予定。中村倫也さん、神木隆之介さん、ムロツヨシさんらが出演します。
4. 『黒牢城』|2026年6月19日公開
米澤穂信さんの『黒牢城』は、2026年6月19日公開予定の注目作です。映画化されると聞いて気になった方も多いと思いますが、これは映像化前にぜひ原作で読んでおきたい骨太な作品です。
原作の魅力
戦国の城という閉ざされた空間を舞台に、怪事件や謎に向き合っていく歴史ミステリ。重厚で難しそうに見えるのに、読み始めるとぐいぐい引っ張られます。歴史小説としての厚みと、ミステリとしての面白さがきっちり両立していて、読みごたえがあるのにちゃんと読ませる。この強さはかなり本物です。
ここに注目
映画では城の閉塞感や心理戦の緊張感が大きな見どころになりそうですが、原作では人物同士の駆け引きや、少しずつ追い詰められていく感覚をもっと濃く味わえます。映像になる前に読んでおくと、この作品の骨太な面白さがよりはっきり伝わります。
映画化情報
2026年6月19日公開予定。映画版は黒沢清監督、本木雅弘さん主演で公開されます。
5. 『汝、星のごとく』|2026年秋公開
凪良ゆうさんの本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』は、2026年秋公開予定の大きな話題作です。映像化の注目度はかなり高いですが、それ以上に、原作小説としての感情の強さが圧倒的な作品です。
原作の魅力
瀬戸内の島を舞台に、ままならない環境の中で惹かれ合い、すれ違いながら生きていく二人の15年にわたる物語です。きれいな恋愛小説では終わらず、孤独や家族のしがらみ、どうにもならない人生の重さまで抱え込んでいて、読んでいる間もしんどいのに、読み終えてからの方がもっと効きます。感情を大きく揺さぶられる小説を読みたい人には、かなり強くすすめたい1冊です。
ここに注目
映画では瀬戸内の景色や二人の関係が印象的に描かれそうですが、原作ではもっと細かく感情の積み重なりを追えます。きれいな映像になる前に、小説でこの物語のしんどさや熱を受け取っておきたい作品です。
映画化情報
2026年秋公開予定。映画では横浜流星さん、広瀬すずさんのW主演が発表されており、原作ファンからの注目度もかなり高い1本です。
まとめ
映画は「他者の視点」で見せられる物語ですが、読書は「自分自身」で構築する物語です。
2026年、これらの作品が映像として定着してしまう前に、あなただけの解釈、あなただけの登場人物の顔、あなただけの風景を、その胸に刻んでおいてください。
まず1冊読んでみるなら、設定の強さで引き込まれる『君のクイズ』、重厚な読みごたえを求めるなら『黒牢城』、感情を大きく揺さぶられたいなら『汝、星のごとく』がおすすめです。
気になる作品があれば、ぜひ映画公開前に原作小説もチェックしてみてください。
先に読んでおくことで、映画を見る楽しみもきっと大きくなるはずです。

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