ホラー小説を読んでみたいけれど、どの作家から入ればいいのかわからない。
そんな人にまずおすすめしやすいのが、複数の作家の短編を一冊で読めるホラーアンソロジーです。
今回読んだのは『ホラーの扉』と『呪いの☒☒』。
どちらも、ホラーの入口として読みやすいアンソロジーです。
ただ、実際に読んでみると、この2冊はかなり方向性が違いました。
『ホラーの扉』はホラー入門向け、『呪いの☒☒』は作家ごとの個性を楽しみたい人向けだと感じました。
『ホラーの扉』と『呪いの☒☒』を比較
| ホラーの扉 | 呪いの☒☒ | |
|---|---|---|
| 怖さ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| 初心者向け | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| 特徴 | ジャンル解説つきで学びがある | 「呪い」テーマの競作 |
| 向いている人 | ホラー初心者 | 呪い系ホラーが好きな人 |
| 読後感 | 「なるほど!」が多い | 作家ごとの違いが楽しい |
どちらも面白かったですが、方向性はかなり違うと感じました。
『ホラーの扉』あらすじ|ホラーのジャンルがわかる入門書のような一冊
『ホラーの扉』は、さまざまなジャンルのホラーを短編で味わえるアンソロジーです。
心霊、オカルト、モンスター、サスペンス、SF、怪談、モキュメンタリーなど、幅広い怖さに触れられます。
澤村伊智、芦花公園、平山夢明、雨穴、五味弘文、瀬名秀明、田中俊行、梨ら、幅広い作家の短編を収録。
さらに、それぞれの恐怖の仕組みを読み解く解説も入っています。
「ホラーはなぜ怖いのか」を知りながら、幅広い恐怖を楽しめる、ホラー初心者にも手に取りやすい一冊です。
『呪いの☒☒』あらすじ|作家ごとの“呪い”の解釈が面白い一冊
『呪いの☒☒』は、“呪い”をテーマにしたホラーアンソロジーです。
三津田信三、澤村伊智、芦花公園、背筋、北沢陶、上條一輝らが参加しています。
収録作で描かれるのは、地方都市に広がる穢れや、交換日記に潜む怨念。
無人古書店に残る忌まわしい記憶、模倣作品にかけられた呪詛など、さまざまな“呪い”が描かれます。
日常のすぐ隣にある不気味さや、じわじわ侵食してくる恐怖を描いた6編が収録されており、作家ごとに異なる“呪い”の怖さを楽しめる一冊です。
2冊を読んだ感想|ホラーの入口にも作家探しにもなる
『ホラーの扉』は、各話ごとにジャンルの説明と解説が入るため、「なるほど、これはこういう怖さなのか」と興味深く読めました。
そして、自分が好きなホラーのジャンルを知るきっかけにもなりました。
特に印象に残ったのは、澤村伊智さんと芦花公園さんの作品です。
最後の一文のその後を想像すると、ぞわっと鳥肌が立つような怖さ。
そして、よくわからないまま読み進めた先で、「これが自分だったら」と想像して一気に怖くなる怖さ。
同じホラーでも、怖がらせ方がまったく違うのが面白かったです。
一方で、『呪いの☒☒』は、ひとつの「呪い」というテーマを作家ごとにどう描くのか、その違いが面白いアンソロジーでした。
すべて「呪い」に関する話なのに、シンプルに怖い話、じわじわ効く話、読後に考察したくなる話など、印象がまったく違います。
澤村伊智さん目当てで手に取った一冊でしたが、『呪いの☒☒』で特に印象に残ったのは、上條一輝さんと北沢陶さんの作品でした。
もともと参加作家が全員好き、または気になっていた作家ばかりだったので、個人的には『呪いの☒☒』の方が好みでした。
一冊の中でそれぞれの作家の“呪い”を読み比べられる、かなり満足度の高いアンソロジーです。
次は『七人怪談』を読む予定です。
文庫化や続編については、こちらの記事でまとめています。

初心者におすすめなのはどっち?
ホラー初心者にすすめるなら、まずは『ホラーの扉』だと思います。
ジャンル説明と解説があることで、「ホラーってこういう種類があるんだ」と理解しながら読めるため、かなり入りやすいです。
逆に、解説なしで作品そのものを楽しみたい人や、作家ごとの個性を味わいたい人には『呪いの☒☒』の方がおすすめ。
私はどちらかというと後者で、「同じテーマでもこんなに違うんだ」という面白さを強く感じました。
まとめ|ホラーアンソロジーは作家探しにもおすすめ
『ホラーの扉』は、ホラーのジャンルを知りながら読める入門編のような一冊。
『呪いの☒☒』は、同じテーマでも作家によってここまで印象が変わるのかを楽しめる一冊でした。
どちらも、次に読みたい作家や作品を探すきっかけになるホラーアンソロジーです。

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