第72回江戸川乱歩賞は箕輪尊文『天使の負託』に決定|受賞作・候補作・発売情報まとめ

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第72回江戸川乱歩賞の受賞作が、箕輪尊文さんの『天使の負託――エンジェル・バレット――』に決定しました。

江戸川乱歩賞は、ミステリー作家の登竜門として知られる新人賞です。東野圭吾さん、桐野夏生さん、高野和明さん、道尾秀介さんなど、多くの人気作家を輩出してきました。

この記事では、第72回江戸川乱歩賞の受賞作『天使の負託――エンジェル・バレット――』のあらすじ、審査員が評価したポイント、箕輪尊文さんについて、最終候補作、今後の発売情報をまとめます。

※受賞時のタイトルは『天使の負託――エンジェル・バレット――』です。刊行時にタイトルが変更される可能性があるため、正式な書籍情報が公開されしだい追記します。

目次

『天使の負託――エンジェル・バレット――』のあらすじ

『天使の負託――エンジェル・バレット――』は、PKO派遣の過去を抱える元自衛官たちと、女子高生殺人事件が交差していくミステリーです。

主人公のひとりは、現在ピザ配達員として働く元自衛官・本庄恵梨香。

彼女がピザを届けた女子高生が、胸を撃ち抜かれた遺体として発見されます。しかも、その手に握られていたのは、恵梨香がPKO派遣時に受章した「国連メダル」でした。

もうひとりの元自衛官・野島武もまた、過去の悪夢に苦しんでいます。

彼の前には、姉をホストクラブ「エンジェル・バレット」に奪われたという地下アイドル・南川杏子が現れます。

女子高生殺人事件、国連メダル、ホストクラブ、地下アイドル、そして二人の元自衛官が隠してきた過去。

自衛隊やPKOという硬派な題材に、現在進行形の事件が絡んでいく、社会派ミステリーとしても注目したい受賞作です。

出典:PHPオンライン「第72回江戸川乱歩賞、受賞作決定」

審査員が評価したポイント

受賞発表会見で特に強調されていたのは、自衛官の世界のリアリティでした。

『天使の負託――エンジェル・バレット――』は、PKO派遣の過去を抱える元自衛官たちを描く作品です。審査員からは、自衛官の世界が非常によく描かれていること、まるで実体験かのようなリアリティが評価されていました。

また、ミステリーとしての仕掛けや、「国連メダルを持っている」という謎の効かせ方も評価ポイントとして挙げられていました。女子高生殺人事件の現場に、なぜPKO派遣時の国連メダルが残されていたのか。この一点だけでも、かなり引きがあります。

選考では、最初から意見が一致していたわけではなかったようです。

それでも最終的には、審査員5人全員一致と言ってもよい結果になったとのこと。

欠点はあるものの、作品としてよくできていたこと、そして頭で考えただけでは出せないリアリティが、評価につながったようです。

自衛隊、PKO、国連メダル、女子高生殺人事件。重い題材を扱いながらも、物語の手触りに説得力がある受賞作といえそうです。

箕輪尊文さんはどんな人?

箕輪尊文さんは、今回が初めての最終候補ではありません。

会見では、第65回で初めて江戸川乱歩賞の最終選考に残り、第67回でも最終候補になったと語られていました。そして今回、第72回で再び最終候補となり、ついに受賞に至ります。

江戸川乱歩賞には、第63回からほぼ毎年応募していたとのこと。

10年間挑戦を続けられた理由として挙げていたのは、書くこと、考えることの楽しさでした。苦労はありながらも、先輩作家たちの作品を読み、「今度こそは」と書き続けてきた。会見からは、そんな10年の積み重ねが伝わってきました。

なかでも印象的だったのが、「登るなら一番高い山を登りたい」という言葉です。

ミステリー作家の登竜門として知られる江戸川乱歩賞。その賞に挑み続け、何度も最終候補に残りながら、10年越しで受賞する。

会見では、受賞について「これから本当の試練が始まる」とし、「身が引き締まる思いです」と語っていました。

南スーダンPKOから生まれた物語

『天使の負託――エンジェル・バレット――』の着想には、南スーダンPKOがあったそうです。

会見で箕輪さんは、南スーダンPKOについて、最初は「よくわからない」という印象だったと語っていました。けれど、「これは小説になるかもしれない」と感じ、調べ始めたそうです。

そこから、自衛隊についてもネットや本で調べながら、物語を形にしていったとのこと。

遠くのニュースとして通り過ぎてしまいがちな出来事を、元自衛官たちの過去と現在の殺人事件へつなげていく。自衛隊、PKO、過去の隠蔽、そして女子高生殺人事件。題材の重さとミステリーとしての引きが重なった作品になりそうです。

また、箕輪さんは今後について、ミステリーに限らず小説を書いていきたいとも語っていました。社会に対して上から何かを示すのではなく、「一緒に考えてみませんか」というような作品を書きたいという言葉も印象的でした。

第72回江戸川乱歩賞の最終候補作

第72回江戸川乱歩賞の最終候補作は、以下の4作です。

作品名著者
贖罪に手を汚す卯上笹生
家族毒桑原なつみ
Monju平野尚紀
天使の負託――エンジェル・バレット――箕輪尊文

最終候補作のタイトルを見るだけでも、罪、家族、謎めいた固有名、そして天使と銃弾のような不穏な響きが並んでいます。

『天使の負託』はいつ読める?

『天使の負託――エンジェル・バレット――』は、9月頃に講談社より刊行予定です。

現時点では受賞時タイトルとして『天使の負託――エンジェル・バレット――』を紹介していますが、刊行時にタイトルが変更される可能性があります。正式なタイトル、発売日、書影などが公開されしだい、この記事でも追記します。

また、2次予選通過作品についての予選委員の講評や、最終選考の結果・選考委員の選評は、6月22日発売の「小説現代」7月号に掲載予定です。

受賞作の評価や選考の流れを詳しく知りたい方は、「小説現代」7月号もチェックしておきたいところです。

江戸川乱歩賞が気になった人におすすめの歴代受賞作

第72回の受賞作が気になった方は、過去の江戸川乱歩賞受賞作を読んでみるのもおすすめです。

江戸川乱歩賞には、今も読み継がれている名作が多くあります。

『殺し屋の営業術』野宮有

第71回江戸川乱歩賞受賞作。

凄腕営業マンが「殺し屋」の営業をするという、かなり異色の設定のクライム・ノベルです。

第72回の受賞作『天使の負託――エンジェル・バレット――』を待つあいだに、まずは直近の乱歩賞受賞作から読んでみるのもおすすめです。

『13階段』高野和明

死刑制度を題材にした社会派ミステリー。

重いテーマを扱いながらも、物語としての読みやすさと緊張感があり、江戸川乱歩賞受賞作の中でも特におすすめしやすい作品です。

『カラスの親指』道尾秀介

詐欺師たちを描いたエンタメ性の高いミステリー。

重すぎる作品よりも、物語としてぐいぐい読める乱歩賞受賞作を探している人におすすめです。

『カラスの親指』の続編や読む順番はこちらで紹介しています。

『放課後』東野圭吾

東野圭吾さんのデビュー作。

学園を舞台にしたミステリーで、江戸川乱歩賞受賞作としても有名な一冊です。東野圭吾作品をこれから読みたい人にも手に取りやすい作品です。

『顔に降りかかる雨』桐野夏生

桐野夏生さんのデビュー作。

ハードボイルド寄りの空気があり、女性主人公のミステリーとしても印象に残る一冊です。

まとめ

第72回江戸川乱歩賞は、箕輪尊文さんの『天使の負託――エンジェル・バレット――』に決定しました。

受賞作は、PKO派遣の過去、国連メダル、女子高生殺人事件が絡み合うミステリーです。会見では、自衛官の世界のリアリティや、ミステリーとしての仕掛けが評価されていました。

9月頃に講談社より刊行予定ですが、受賞時タイトルは刊行時に変更される可能性もあります。

10年にわたって江戸川乱歩賞に挑み続けてきた箕輪尊文さんのデビュー作。正式な発売日や書影が公開されたら、この記事でも追記します。

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