営業成績トップの会社員が転職したのは、『殺し屋』だった――。
野宮有さんの「殺し屋の営業術」シリーズは、営業マン・鳥井が、交渉力と頭脳を武器に殺し屋の世界を生き抜いていくクライムミステリーです。
第1作『殺し屋の営業術』に続き、2026年7月29日には続編『殺し屋の出世術』が発売されます。
この記事では、「殺し屋の営業術」シリーズを読む順番と、各作品のあらすじ、ネタバレなしの感想、残酷な描写の程度をまとめます。
- 『殺し屋の出世術』は、NetGalleyで発売前に読ませていただきました。
『殺し屋の営業術』シリーズを読む順番
刊行順に読むのがおすすめです。
| 順番 | 作品名 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 『殺し屋の営業術』 | 営業マン・鳥井が殺し屋の会社で働き始めるシリーズ第1作 |
| 2 | 『殺し屋の出世術』 | 鳥井たちが会社の社長の座をめぐる争いに巻き込まれる続編 |
『殺し屋の出世術』からでも、物語の大筋は追えます。
ただし、鳥井がどのように殺し屋の世界へ入り、営業として成長してきたのかを知っているほうが、続編の面白さは確実に増します。
鳥井だけでなく、周囲の殺し屋たちとの関係や、それぞれの変化もシリーズの見どころです。
これから読むなら、まずは1作目『殺し屋の営業術』から手に取ることをおすすめします。
1作目『殺し屋の営業術』のあらすじ
営業成績トップを誇る凄腕営業マン・鳥井は、契約のためなら手段を選ばない男。
ある日、アポイント先で刺殺体を発見し、犯行現場にいた殺し屋に襲われてしまいます。
口封じのため殺されかけた鳥井は、絶体絶命の状況でも営業を開始。自分を雇えば相手を救えると持ちかけ、殺人請負会社〈極東コンサルティング〉への入社を勝ち取ります。
しかし、鳥井を待っていたのは、2週間で2億円という無謀な営業ノルマ。達成できなければ、命はありません。
戦闘経験のない鳥井は、営業力と交渉術を武器に、個性的な殺し屋たちと命懸けのノルマ達成に挑みます。
『殺し屋の営業術』を読んだ感想
『殺し屋の営業術』というタイトルから、ライトでユーモアのある殺し屋小説を想像していました。
本屋大賞へのノミネートをきっかけに購入したものの積読になっていましたが、続編の発表を機に読み始めました。
実際に読んでみると、想像していた雰囲気とはまったく違います。
人が次々と死に、残酷な場面も多いダークな世界。鳥井も何度も絶体絶命の状況に追い込まれます。
それでも、鳥井が営業マンとして培ってきた営業スキルや頭脳を武器に、殺し屋の世界へ適応していく姿から目が離せません。
敵も強く、単純な力比べでは終わらないところも面白かったです。
相手の狙いを読み、言葉や交渉で状況を動かし、さらにその裏をかく。生きるか死ぬかの極限状態で繰り広げられる頭脳戦に、ドキドキと興奮が止まりませんでした。
殺し屋の営業としてどんどん覚醒していく鳥井もかっこよく、ピンチの連続にハラハラしながら一気読みしました。
2作目『殺し屋の出世術』のあらすじ
鳥井が殺人請負会社〈極東コンサルティング〉へ入社してから半年。
個性的な殺し屋たちをまとめながら、営業マンとして順調に業績を伸ばしていました。
ところがある日、鳥井は謎の男・鷹見に拉致され、上部組織〈巣ヶ谷一家〉の組長のもとへ連れて行かれます。
そこで告げられたのは、鳥井と鷹見による命懸けの出世レース。
勝者には〈極東コンサルティング〉の社長の座が与えられますが、敗者を待っているのは死です。
拒否権のない鳥井は、戦闘能力ではなく、営業術と頭脳を使って生き残りを目指します。
『殺し屋の出世術』を読んだ感想
『殺し屋の出世術』は、1作目のその後を描いた続編です。
今回は殺し屋の会社の社長の座をめぐる争いが始まり、鳥井たちは再び命懸けの状況に追い込まれます。
敵が強すぎて、「これもう無理じゃん」と思うほど絶望的な展開の連続。
何か行動を起こしても先回りされ、逃げ道まで次々と塞がれていくため、本当にここから逆転できるのかと不安になりました。
敵の容赦のなさも強烈です。
残酷な描写には思わず目を背ける場面もありましたが、それでも鳥井たちがどうなるのかという興味が勝り、読む手は止まりませんでした。
追い詰められていく恐怖と絶望感が深いぶん、営業スキルと圧倒的な頭脳が効いてくる終盤は爽快です。
それまで積み重なってきたものがつながり、鳥井らしい方法で状況が動き始める展開には、前作以上の高揚感がありました。
また、今回は鳥井だけでなく、殺し屋たちそれぞれの成長や、チームとして連携していく姿も見どころです。
1作目ではまだばらばらだった人物たちが、それぞれの能力を生かしながら協力していく。
その変化にも見応えがあり、シリーズの今後にも期待が膨らむ一冊でした。
残酷な描写は多い?
『殺し屋の営業術』『殺し屋の出世術』には、殺人や暴力、死に関する残酷な描写があります。
タイトルから想像するよりも、かなりダークな作品です。
人が次々と死ぬため、ライトな殺し屋小説を求めている人には、少し重く感じられるかもしれません。
グロテスクな描写が極端に苦手な人は注意が必要ですが、ダークなクライムミステリーや極限状態の駆け引きが好きな人なら、物語の勢いに引き込まれるシリーズだと思います。
『殺し屋の営業術』シリーズはこんな人におすすめ
このシリーズは、次のような人におすすめです。
- 主人公が成長し、覚醒していく物語が好き
- 強敵との頭脳戦や心理戦を楽しみたい
- 生きるか死ぬかの極限状態にハラハラしたい
- 絶望的な状況からの逆転劇が好き
- ダークなクライムミステリーを読みたい
- 個性の強い人物たちがチームになっていく物語が好き
反対に、残酷な描写や人が多く死ぬ作品が苦手な人は、読む前に注意してください。
まとめ|読むなら『殺し屋の営業術』からがおすすめ
『殺し屋の営業術』シリーズは、営業マンの経験を武器に、殺し屋の世界を生き抜いていくダークなクライムミステリーです。
タイトルから想像していたライトな作品とは違い、残酷な描写や絶望的な状況が続きます。
それでも、鳥井が営業スキルと頭脳を使って強敵に立ち向かう姿がかっこよく、先が気になって一気に読まされました。
続編『殺し屋の出世術』では、鳥井だけでなく、殺し屋たちがチームとして成長していく姿も見どころです。
『殺し屋の出世術』から読めないことはありませんが、鳥井の成長や人物同士の関係をより楽しむためにも、まずは『殺し屋の営業術』から読むことをおすすめします。
鳥井たちが次はどんな敵と戦い、営業スキルでどのように窮地を覆すのか、今後も楽しみです。

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