島田荘司さんの御手洗潔シリーズは、本格ミステリ好きなら一度は名前を聞く人気シリーズです。
ただ、作品数が多く、長編・短編集・関連作もあるため、「どれから読めばいいの?」と迷いやすいシリーズでもあります。
結論からいうと、初めて読むならまずは『占星術殺人事件』からがおすすめです。
とはいえ、いきなり全作を追う必要はありません。
この記事では、御手洗潔シリーズの読む順番、初心者におすすめの作品、2026年7月発売予定の最新作『水上都市の冒険』について紹介します。
御手洗潔シリーズはどれから読む?
御手洗潔シリーズを初めて読むなら、基本的には刊行順で読むのがおすすめです。
特に初期作品は、御手洗潔という探偵の魅力だけでなく、石岡和己との関係性や、シリーズ全体の空気感が少しずつ見えてくるところが面白いです。
これから読み始めるなら、まずは1作目『占星術殺人事件』から順番に追っていくのが一番わかりやすいと思います。
ただし、「とりあえず一冊だけ読んでみたい」「本格ミステリとしての面白さを先に味わいたい」という人なら、『斜め屋敷の犯罪』から入るのもありです。
奇妙な館、密室、不可解な事件といった要素が強く、御手洗潔シリーズの本格ミステリらしさを味わいやすい一冊です。
初心者におすすめの読む順番
初心者向けに考えるなら、まずは初期作品をこの順番で読むのがおすすめです。
長編だけを追いたくなるかもしれませんが、3作目の短編集『御手洗潔の挨拶』を飛ばさずに読むことで、4作目『異邦の騎士』の感動が跳ね上がります。ぜひ最初の4作はセットだと考えて読んでみてください。
| 順番 | 作品名 | メモ |
|---|---|---|
| 1 | 占星術殺人事件 | まず読むならここ |
| 2 | 斜め屋敷の犯罪 | 吹雪の館・密室という本格ミステリの王道。驚愕のトリック |
| 3 | 御手洗潔の挨拶 | 短編集。2人の日常と絆を描く。次作への重要な助走 |
| 4 | 異邦の騎士 | 長編。2人の出会いを描く始まりの物語。 |
| 5 | 御手洗潔のダンス | 短編集 |
| 6 | 暗闇坂の人喰いの木 | 長編 |
| 7 | 水晶のピラミッド | 長編 |
| 8 | 眩暈 | 長編 |
全部を一気に追う必要はありません。
まずは『占星術殺人事件』から『異邦の騎士』までの初期4作品を、順番通りに読んでみてください。ここで御手洗と石岡のコンビに完全に心を掴まれるはずです。
さらに余裕があれば、『暗闇坂の人喰いの木』や『眩暈』といった中期の傑作長編へ進むと、最新作へ進む前のいいクッションになると思います。
中盤以降は初期作品とは少し雰囲気が変わってくるため、まずは刊行順にいくつか読んでおくと、シリーズ全体の空気感をつかみやすいです。
御手洗潔シリーズの主な刊行順一覧
御手洗潔シリーズの主な作品を刊行順でまとめました。
作品数が多いため、一覧はアコーディオン内に入れています。読みたい方は開いて確認してみてください。
全作品の読む順番を開く
- 『占星術殺人事件』(1981年)※デビュー作
- 『斜め屋敷の犯罪』(1982年)
- 『御手洗潔の挨拶』(1987年・短編集)
- 『異邦の騎士』(1988年)※実質的な時系列第1作
- 『御手洗潔のダンス』(1990年・短編集)
- 『暗闇坂の人喰いの木』(1990年)
- 『水晶のピラミッド』(1991年)
- 『眩暈(めまい)』(1992年)
- 『アトポス』(1993年)
- 『龍臥亭事件』(1996年・上/下)※石岡が主役、御手洗は電話等での出演
- 『御手洗潔のメロディ』(1998年・短編集)
- 『Pの密室』(1999年・中編集)
- 『最後のディナー』(1999年・短編集)
- 『ハリウッド・サーティフィケイト』(2001年)
- 『ロシア幽霊軍艦事件』(2001年)
- 『魔神の遊戯』(2002年)
- 『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』(2002年・中編集)
- 『上高地の切り裂きジャック』(2003年・中編集)
- 『ネジ式ザゼツキー』(2003年)
- 『龍臥亭幻想』(2004年・上/下)※『龍臥亭事件』の続編
- 『摩天楼の怪人』(2005年)※御手洗の若きアメリカ時代
- 『溺れる人魚』(2006年・中編集)
- 『UFO大通り』(2006年・中編集)
- 『リベルタスの寓話』(2007年)
- 『進々堂世界一周 追憶のカレードスコープ』(2011年・短編集)※周辺作、学生時代
- 『ゴーグル男の怪』(2011年)
- 『屋上』(2014年)
- 『ミタライ・カフェ』(2014年・アンソロジー)※1編のみ島田氏執筆
- 『星籠の海(せいろのうみ)』(2015年・上/下)
- 『屋上の道化たち』(2016年)
- 『鳥居の密室 世界に類のない珍しい刑事』(2018年)
- 『ローズマリーのあまき香り』(2023年/2026年7月15日文庫化)
- 『水上都市の冒険』(2026年7月23日発売予定)
まず読むならこの3冊
基本のおすすめは刊行順ですが、長編だけで一気に世界観に浸りたいならまずこの3冊から選ぶのもありです。
『占星術殺人事件』
御手洗潔シリーズの入口として、まず読んでおきたい一冊です。
島田荘司さんのデビュー作であり、御手洗潔という名探偵が登場する最初の作品でもあります。
本格ミステリらしい大がかりな謎を楽しみたい人におすすめです。
「御手洗潔シリーズを読んでみたいけれど、どれから手をつければいいかわからない」という人は、まずここからでいいと思います。
ただし、『占星術殺人事件』は冒頭の手記部分が少し読みにくく感じるかもしれません。
ここが最初の鬼門です。
「合わないかも」と思っても、できればそこであきらめずに読み進めてほしい一冊です。物語が動き出してからの引き込み力と、本格ミステリとしての大きな謎の面白さはかなり強く、最初の手記を越える価値はあります。
『斜め屋敷の犯罪』
「シリーズを順番に追うなら『占星術殺人事件』から」ですが、「一冊だけ御手洗潔シリーズを試してみたい」という人には、『斜め屋敷の犯罪』もかなりおすすめです。
奇妙な館、密室、不可解な事件といった、本格ミステリらしい要素を楽しめます。
館ものやトリック重視のミステリが好きな人なら、かなり手に取りやすい一冊です。
『占星術殺人事件』が合った人は、次に『斜め屋敷の犯罪』へ進むとシリーズの面白さをつかみやすいと思います。
『異邦の騎士』
御手洗潔と石岡和己の関係性まで知りたい人におすすめの一冊です。
事件の謎だけでなく、登場人物の背景やシリーズの人物面にも触れられる作品なので、初期の重要作として読んでおきたいところです。
ただし、最初の一冊として読むよりは、『占星術殺人事件』『斜め屋敷の犯罪』を読んだあとに進む方が入りやすいと思います。
最新作『水上都市の冒険』も発売予定
2026年7月23日には、御手洗潔シリーズ最新作『水上都市の冒険』の発売が予定されています。
『水上都市の冒険』は、少年時代の御手洗が横浜水路で謎を解く作品です。
高度成長期の横浜を舞台にした5つの事件を描く一冊で、出版社の書誌情報では、「“哀しみ”に寄り添うミステリ」と紹介されています。
収録作品は以下の5編です。
| 収録作品 |
|---|
| 汐汲坂の殺人 |
| 踊る人形 |
| 火事マニア |
| マジシャン御手洗くん |
| 歯磨きチューブの謎 |
シリーズ最新作ではありますが、初心者がいきなりここから入るより、まずは初期作品で御手洗潔という探偵に触れてから読む方が入りやすいと思います。
『ローズマリーのあまき香り』も文庫化予定
2026年7月15日には、『ローズマリーのあまき香り』の講談社文庫版も上下巻で発売予定です。
『ローズマリーのあまき香り』は、ニューヨークのバレエシアターで起きた密室殺人をめぐる長編です。
御手洗潔が活躍する作品なので、最新作『水上都市の冒険』とあわせて、2026年7月は御手洗潔シリーズの動きが大きい月になりそうです。
こちらもいきなり読むより、初期の代表作を読んでから手に取る方が入りやすいと思います。
まとめ:御手洗潔シリーズはまず『占星術殺人事件』から
御手洗潔シリーズは作品数が多く、初めて読む人ほど「どれから読めばいいの?」と迷いやすいシリーズです。
まず読むなら、シリーズ第1作の『占星術殺人事件』がおすすめです。
そのあと『斜め屋敷の犯罪』『御手洗潔の挨拶』『異邦の騎士』へ進むと、御手洗潔という探偵の魅力やシリーズの雰囲気をつかみやすいと思います。
2026年7月には、最新作『水上都市の冒険』の発売も予定されています。
気になる方は、まず初期の代表作から手に取ってみてください。


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