北山猛邦さんの『石球城』殺人事件を読み終えました。
結論から言うと、今年読んだ小説のなかでNo.1です。
13の密室を次々と成立させる本格ミステリーの面白さと、世界そのものの謎を追う物語が見事に重なっていました。こんなに先を読むのが止められなかったのは久しぶりです。
この記事では、特に刺さった3つのポイントをネタバレなしで紹介します。
『石球城』殺人事件のあらすじ
凍てつく世界を旅する少年・ルーサは、壁に囲まれた城塞都市「石球城」に迷い込む。
自身の正体を知るため、“世界の果て”を目指す少年・ロメリアと、巫女・カヮクが暮らす灯台を訪れるが、そこで待っていたのは密室で首を切られた巫女の死体だった。
巫女殺しの疑いをかけられたルーサが犯人を捜すなか、別の灯台でも新たな密室殺人が起こる。
13の密室、13のトリック。
連続巫女殺しの犯人は誰なのか。そして、石球城に隠された驚愕の真実とは――。
おすすめポイント1|13の密室、容赦のない連続殺人
この作品、とにかく密室が多い。1つや2つじゃない。13個。
事件が起きて、少し整理したと思ったら、また次の密室殺人。
「こんなの不可能じゃん」
「魔法が使えました、空を飛べましたのオチだったら許さない」
そう思いながら読んでいましたが、そこはさすが北山猛邦。
ちゃんと論理で殴ってくる。
異世界のような舞台だからこそ、どんな超常的な答えも出せそうに見える。それでも本作は、最後まで論理とトリックで勝負します。
幻想的な世界観と本格ミステリーが、どちらも飾りではなく噛み合っている。その潔さが最高でした。
おすすめポイント2|複雑なのに迷子にならない
登場人物の名前はかなり独特です。
カタカナ名が苦手なので、最初は「これ覚えられるかな」と不安でした。
でも、キャラがしっかり立っているから意外とすぐ慣れました。関係性も分かりやすいです。
そして何より助かったのが、密室が起こるたびに見取り図が挿入される親切設計。
連続殺人で状況が複雑になっていく一方、探偵役がその都度整理してくれるため、物語から置いていかれにくいのも魅力です。
複雑な謎に挑みながら、物語にはしっかり没入できる。この安心感はとても貴重でした。
おすすめポイント3|石球城の世界観がたまらない
永遠に明けない夜。街中に転がる石球。九人の王と十三の灯台。
この時点でもうワクワクする。
なぜルーサは石球城に迷い込んだのか。
石球城とは何なのか。
犯人だけじゃなく、世界そのものが大きな謎になっているのがたまりませんでした。
不思議で、幻想的で、ずっと不穏。
密室の謎を追ううちに、石球城そのものの秘密や登場人物たちの行く末まで知りたくなる。
複数の謎が絡み合い、ページをめくるたびに物語の奥へ引き込まれました。
『石球城』殺人事件はこんな人におすすめ
- 密室や不可能犯罪を考えるのが好きな人
- 幻想的で不穏な世界観に浸りたい人
- 予想を超える「驚き」を体験したい人
- 複雑でも読みやすい本格ミステリーを探している人
城シリーズ未読でも大丈夫
『石球城』殺人事件は、北山猛邦さんの「城」シリーズの一作。
とはいえ、物語も登場人物も各作品で独立しているので、シリーズ未読の状態でいきなり本作から読んでも全く問題ありません。むしろこの一冊だけで完結した満足感がありました。
そして巻末には、2027年に『火刑城』殺人事件刊行予定という告知が。
まだ『石球城』の余韻に浸っている最中なのに、もう次が気になって仕方ありません。

まとめ|今年のNo.1です
『石球城』殺人事件は、13の密室に挑む面白さと、石球城そのものの謎を追う興奮を同時に味わえる本格ミステリーでした。
複雑な設定なのに読みやすく、トリックの驚きだけでなく、物語の結末まで大満足です。
読み終えてもなお、あの世界について考えたくなる。ミステリーに「驚き」と「物語へ没入する楽しさ」を求める人へ、全力でおすすめします。
今年読んだ小説の暫定No.1。私の「名刺代わりの小説10選」にも入れたい一冊です。

コメント