2026年11月も、気になるミステリー・ホラー新刊が多数発売予定です。
知念実希人さん、米澤穂信さん、中山七里さん、堂場瞬一さんらの新作に加え、メフィスト賞・アガサ・クリスティー賞の受賞作、怪異やモキュメンタリー系のホラーも登場します。
この記事では、2026年11月発売予定のミステリー・ホラー新刊や文庫化作品の中から、きたうみ文庫で気になっている本をまとめて紹介します。
発売日や書影、内容などは変更される場合があるため、出版社公式情報を確認しながら随時更新します。
2026年11月の新刊注目作一覧
| 分類 | 作品名 |
|---|---|
| ミステリー・サスペンスなど | 『また世界の終わりですか?』/『「このミス」が選ぶ この乱歩がすごい! 魅惑の名探偵編』/『噓つきたちのカウンセリングルーム 臨床心理士・緑川楓の謎解きカルテ』/『デラシネ 「忘却の縁」編 放浪捜査官・草野誠也の事件簿』/『推定冤罪』/『神話』/『クイーンと革命とアリス』/『名探偵裁判』/『水籠城の殺人』/『図書館のジャッカロープ』/『石の刃』/『火と話す男』/『十二の眼』/『されど神は箱庭の罪を語らず』/『路上の標的』 |
| ホラー・怪異 | 『死霊探偵』/『異常の輪郭 身体‐感情‐記憶にまつわる10の恐怖譚』/『事故物件住みます探偵』/『或るバイトを募集しています 募集停止』 |
| その他の注目作 | 『酒戦 現代の短編小説ベストコレクション2026』/『劇場で会いましょう』 |
| 文庫化・新装版・復刊など | 『占いミステリー傑作選』/『サイコ・ミステリー傑作選』/『赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。』/『龍の墓』/『私の死体を探してください。』/『シャドウ【新装版】』/『ダブルマザー』/『法廷占拠 爆弾2』/『探偵倶楽部 新装版』/『黒い家 新装版』/『清算』/『肖像画』 |
2026年11月のミステリー・サスペンス新刊
11月は、本格ミステリーや警察小説に加えて、法廷ミステリー、歴史ミステリー、AI×SFサスペンスまで幅広い作品がそろっています。
11/5『また世界の終わりですか?』駄犬
「もうすぐ世界が滅亡する」――SNSで拡散される予言に、人々が翻弄されていきます。
今度もただのデマなのか、それとも本当に終わりが迫っているのか。『誰が勇者を殺したか』の駄犬さんが初めて手がける文芸作品で、さまざまな人物の視点から「世界の終わり」を描く連作短編集です。
個人的には、帯の「誰の目線で物語を追うかによって、『世界』の見え方が変わります。」という一文がかなり気になっています。
しかも、どの主人公の章から読んでもいいという構成。読む順番によって同じ出来事の見え方だけでなく、物語全体の印象や読後感まで変わるのかと思うと、とても楽しみです。それぞれの物語がどう絡み合い、最後にどんな「世界」が見えるのか期待しています。
11/5『「このミス」が選ぶ この乱歩がすごい! 魅惑の名探偵編』江戸川乱歩
『このミステリーがすごい! 2026年版』の「ミステリー作家が選ぶ この乱歩作品がすごい! BEST10」にランクインした作品から、名探偵が活躍する作品を集めたアンソロジー。
「屋根裏の散歩者」「パノラマ島綺譚」「何者」「心理試験」「陰獣」の5編を収録しています。10月刊『偏愛の美学編』に続く一冊です。
11/5『噓つきたちのカウンセリングルーム 臨床心理士・緑川楓の謎解きカルテ』君野新汰
臨床心理士・緑川楓のもとを訪れた会田は、会社の上司からパワハラを受けていると相談します。
何度かカウンセリングを重ねたのち、会田は悩みが解消したとして突然終了を希望。不審に思った緑川が個人情報を確認すると、勤務先は1年半前に倒産しており、さらに彼の家では殺人事件が起きていました。
現役精神科医でもある君野新汰さんが描く、カウンセリング×ミステリーです。
11/5『デラシネ 「忘却の縁」編 放浪捜査官・草野誠也の事件簿』梶永正史
愛知県で、半導体工場の誘致に反対していた企業社長が殺害される。
容疑者として浮上したのは、まじめに働いていた外国人技能実習生。事件は本当に彼の犯行なのか、それとも冤罪なのか。
元警視庁捜査一課刑事・草野と、現役の警察庁キャリア・白羽の異色コンビが、今回は愛知を舞台に、外国人労働者をめぐる問題と「ものづくりの街」に潜む闇を追います。
香川県が舞台の「鏡の海」篇、北海道が舞台の「霧の樹海」篇に続く、〈放浪捜査官・草野誠也の事件簿〉シリーズの新作です。
11/9『推定冤罪』浅野皓生
2018年、痴漢容疑で逮捕・起訴された刑法学者の灰原法雄は、裁判で無罪を勝ち取ります。一方、被害を訴えた女子学生には誹謗中傷が殺到し、判決の翌月に自ら命を絶ちました。
それから8年。灰原が再び痴漢容疑で逮捕されます。8年前の事件は本当に冤罪だったのか。
灰原の弁護を担当する乃木知美、自殺した女性の友人でもある新聞記者・本間湊、事件の目撃者・桜井栞。3人の視点から「真実」を追っていきます。
前作『責任』も、重いテーマなのにとても読みやすく、読み終えたあとまで考えさせられる作品でした。今回も、あらすじだけで簡単には答えの出ない問いを突きつけられる感じがして、かなり気になっています。
11/12『神話』知念実希人
大学院生の佐藤枢は、婚約者との初詣の帰りに交通事故に遭い、頭部を強打。奇跡的に意識を取り戻しますが、回復する過程で脳の回路が再構築され、人知を超えるほどの知性を発揮し始めます。
因果律を支配し、バタフライエフェクトを操る枢。一方、アメリカでは天才プログラマーによって軍事用の超高性能汎用AIが開発されていました。
人の枠を超えた知性と人工の超知能が出会ったとき、「神」が降臨し、世界は終末へと動き始めます。
知念実希人さんの作家デビュー15周年、実業之日本社創業130周年の記念作品です。
サッとあらすじに目を通しただけで、気になるキーワードがどんどん出てくる。
しかも「魂の集大成」という言葉まで。
624ページの大作だけど、むしろ思い切りハマれそうで、発売がかなり待ち遠しい一冊です。
11/18『クイーンと革命とアリス』金子玲介
『クイーンと殺人とアリス』へつながる前日譚。
前作では、謎解きアイドル「Queen & Alice」の最終オーディションに残った8人が孤島へ集められ、夢をかけた合宿が思わぬ事件へと変わっていきました。
本作で描かれるのは、その8人がオーディションに応募するまで。オーディション100連敗、就活で50社全落ち、バンド解散、クイズ甲子園敗退…。それぞれが思うようにいかない日々の中で、「謎解きアイドル」を目指すことになるまでを8つの物語で描きます。
11/18『名探偵裁判』枢公一
孤島ホテル「鬼火館」で3件の連続殺人が発生し、名探偵・土方伊丹の推理によって事件は解決したかに見えました。
しかし、その推理が間違っていることを知る人物がいます。佐藤灯真――探偵も知らない隠し通路を使い、3人を殺した本当の犯人です。
ところが、土方に犯人と指摘された天谷凪は犯行を認めて逮捕。灯真が彼女の過去を調べ始める一方、土方も隠し通路の存在に気づき、事件の再調査に乗り出します。
第71回メフィスト賞受賞作です。
11/18『水籠城の殺人』芦馬仁
紀元前225年。秦の水攻めによって沈みつつある魏の王都・大梁で、生き残った8人が城の上層階に取り残されます。
脱出策を探るなか、密室で魏王が殺害され、王権の象徴である玉璽も消失。容疑者は残った7人全員です。
沈みゆく城でさらに死者が増えていく、中国古代史×本格ミステリー。
『水籠城の聖骸』のタイトルで第16回アガサ・クリスティー賞を受賞した作品です。
11/20『図書館のジャッカロープ』渡辺優
町の美しい図書館がなくなることになり、それを阻止したい「僕」は、かつて町で起きた《神隠し事件》をバズらせようと思いつきます。
会いに行ったのは、当時の被害者だった少女。彼女は森の中で、角の生えたウサギ「ジャッカロープ」を見たと証言していました。
彼女から話を聞くうちに、《神隠し事件》の真相が少しずつ浮かび上がってきます。
11/25『石の刃』米澤穂信
弁護士・絵島のもとへ持ち込まれたのは、世間を騒がせた〈殺人日記事件〉の控訴審。
被告・小布井の部屋からは殺害計画を詳細に記した日記が見つかっていましたが、本人は控訴に消極的で、事件についても黙秘を続けています。
勝てる見込みがほとんどないなか、絵島は関係者への聞き込みや現地調査を開始。米澤穂信さんが初めて挑むリーガルミステリーです。
本作では、星野源さんがプロデュース・写真ディレクション・出演を担当しています。
11/25『火と話す男』中山七里
密集した住宅地で、畳店だけが全焼する火災が発生。周囲へほとんど燃え広がらなかった不自然な現場を調べるのは、「火と話す男」と呼ばれる東京消防庁の火災原因調査員・不見神明良です。
不見神は火の動きから放火と判断。現場に残された真鍮製の日の丸プレートと、まるで炎を自在に操ったかのような犯行に異質さを感じます。
火を読み解く調査員と連続放火犯の対峙を描くヒューマンミステリーです。
Audibleで先行配信中
本作はAudibleのために書き下ろされた作品で、2026年5月28日から榎木淳弥さんの朗読で配信されています。
11/26『十二の眼』一雫ライオン
六本木の路地裏で、人気女性アナウンサーが殺害されます。
現場に駆けつけた麻布署の新人刑事・一之瀬林檎は、ベテラン刑事・庄子敬之と捜査を開始。やがて元公安部の堂前汐音も加わるなか、報道各社へ「4×3」を名乗る人物から声明文が届きます。
その後も犯行は続き、事件の一部始終が公表されていく劇場型犯罪へ。事件の裏に隠されたものを追う警察小説です。
11/26『されど神は箱庭の罪を語らず』井上悠宇
残存人類は17名。
神に監視された「箱庭」で暮らす彼らの前に、いるはずのない見知らぬ死体が現れます。
ポストアポカリプス×クローズドサークル×不可能犯罪を組み合わせたミステリー。
これだけで、もう面白そう。どんな物語になるのか、今から楽しみです。
※ポストアポカリプス:大災厄や文明崩壊後の世界を描くジャンル。
11/28『路上の標的』堂場瞬一
大阪市内をワイヤレス給電で走行するバスに、爆破予告が届きます。
危機管理会社「TCR」のベテラン社員で元刑事の長洲は、バス運営企業から依頼を受けて調査を開始。具体的な要求すらない脅迫状に疑問を抱くなか、市内で突然車が炎上します。
府警やTCRの仲間と犯人像を追いますが、さらに新たな爆破予告が。堂場瞬一さんによる時間制限サスペンスです。
ホラー・怪異好きが気になる11月新刊
11月は、幽霊と組む探偵ものから事故物件、短編ホラー、モキュメンタリーまで、タイプの違う怪異・ホラーが登場します。
11/6『死霊探偵』伽古屋圭市
生前の記憶を失った幽霊に憑かれたことをきっかけに、霊能力を身につけた鷺坂綴。幽霊を「霊子」と名付け、現在は占い師として暮らしています。
その裏では、除霊やお祓いなど、死霊にまつわる相談を受ける探偵として活動。
悪霊に悩むアイドル、6年前に亡くなった娘が帰ってきたと信じる夫婦、都市伝説「きさらぎ駅」へ消えた男などの事件を、綴と霊子のコンビが追う連作オカルトミステリーです。
11/25『異常の輪郭 身体‐感情‐記憶にまつわる10の恐怖譚』梨 編
小説投稿サイト「エブリスタ」で開催された「河出書房新社×梨 ホラー短編賞」の受賞作をまとめたホラーアンソロジー。
身体、感情、記憶――それぞれの境界に生じる“異常”を描く10作品を収録します。
11/26『事故物件住みます探偵』岡崎琢磨
金欠大学生と不動産社員の訳ありコンビが、事故物件をめぐる謎に挑むミステリー。
そこにあるのは死者の訴えなのか、それとも犯人が仕掛けた罠なのか。
11/30『或るバイトを募集しています 募集停止』くるむあくむ
消息不明になった作家の代わりに、奇妙なアルバイト経験者についての記事を書くことになった新人作家。
担当編集者から紹介される人々の体験はどれも異常で、取材を重ねるほど、目に見えない暗闇に取りつかれていきます。
「洗濯物を取り込む」「整列案内」「あくびをうつす」など全7編を収録。奇怪なアルバイト体験を描くモキュメンタリーホラー第3弾です。
ミステリー以外で気になる11月新刊
11/6『酒戦 現代の短編小説ベストコレクション2026』恩田陸ほか
550を超える作品から、編纂委員が10編を厳選した現代短編小説のベストコレクション。
恩田陸さん、宇野碧さん、一穂ミチさん、須藤古都離さん、上村裕香さん、青崎有吾さん、三津田信三さん、梨さん、藤田祥平さん、中島京子さんの作品を収録します。
11/13『劇場で会いましょう』池井戸潤
池井戸潤さん初のエッセイ集。
ミュージカルへの愛を綴る「劇場で会いましょう」、60年を経て閉館した帝国劇場への思いを語る「奈落はそこにある」を収録します。
さらに、「半沢直樹」の登場人物たちが登場するスピンオフ・ショートショート「コトブキ・ジローと五人のお客さま 半沢直樹編」も収められています。
11月は文庫化・新装版・復刊もチェック
11月は、話題作の文庫化に加えて、新装版や過去のミステリーアンソロジーの復刊も登場します。
単行本で気になっていた作品を文庫で読みたい人や、名作を新しい版で読みたい人はこちらもチェックしてみてください。
| 発売日 | タイトル | 著者 |
|---|---|---|
| 11/6 | 『占いミステリー傑作選』 | 星新一ほか |
| 11/6 | 『サイコ・ミステリー傑作選』 | 江戸川乱歩ほか |
| 11/11 | 『赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。』 | 青柳碧人 |
| 11/11 | 『龍の墓』 | 貫井徳郎 |
| 11/11 | 『私の死体を探してください。』 | 星月渉 |
| 11/12 | 『シャドウ【新装版】』 | 道尾秀介 |
| 11/12 | 『ダブルマザー』 | 辻堂ゆめ |
| 11/13 | 『法廷占拠 爆弾2』 | 呉勝浩 |
| 11/25 | 『探偵倶楽部 新装版』 | 東野圭吾 |
| 11/25 | 『黒い家 新装版』 | 貴志祐介 |
| 11/25 | 『清算』 | 伊岡瞬 |
| 11/25 | 『肖像画』 | 依井貴裕 |
『占いミステリー傑作選』は1989年刊、『サイコ・ミステリー傑作選』は1988年刊の河出文庫が復刊されるものです。
『赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。』は2024年刊のシリーズ第3弾、『ダブルマザー』は2024年刊、『清算』は2023年刊の単行本が文庫化されます。
『探偵倶楽部』『黒い家』は新装版として登場します。
まとめ|2026年11月の新刊ミステリー・ホラー
11月も、読みたい本が増えそうです。
気になる作品が見つかったら、各商品リンクから発売日や予約状況をチェックしてみてください。



コメント